|
|
|
地図を別窓で開く
ある日、私は母親からこんな事を言われました。「代わりに九州へ行っておくれ」と。そう、2月13日から両親は九州に旅行に行くことになっていたのですが、直前になって母親が風邪を引いてしまい、とてもじゃないけど旅行になんか行けない状態だったのです。しかし私は12日に教え子たちと飲み会を開くことになっており、いつも通り朝帰り(ホントは昼帰り)するつもりでした。でも仕方がない、今回は両親のために飲み会は終電までで切り上げるべってことにしました。
が!いざ飲み会が始まってしまうと終電で終わりっていうのも忍びない。基本的に私は酒が入ると止まらなくなってしまい、さらにタチの悪いことにいつまでたっても眠くならないのです。そこで、その日はとりあえず飲み会は予定通りお開きにしたのですが、終電で地元に帰ってから行きつけの飲み屋に行ってしまい、家に帰ったのは朝の4時でした。そしてソッコーで寝て6時に起床、酔っぱらったまま羽田まで向かいました。
申し遅れましたが、今回の旅もツアーでございます。本来、私が一人旅をする時は自分で勝手に行って勝手にホテルに泊まって勝手にご飯を食べに行ってという感じでツアーには絶対に参加しないのですが、うちの両親は大のツアー好き、はなはだ不本意ではあったのですが、ツアー客の1人として旅に出たのであります。
さて、その羽田で添乗員さんからチケットを受け取って飛行機に乗り込み、いざ出発!轟音をとどろかせて離陸しました。…って、スッゲー気持ち悪ぃ。昨日の酒が抜けておらず、さらに上空って気圧が低いでしょ。めったに吐いたりとかしないのに、この時はものすごい吐き気に襲われました。よく、飛行機の中で酒を飲むと酔いやすいと言いますが、ホントなんだなぁと思いましたね。まぁとにかく1時間半近く吐き気との戦いが続いたわけであります。
そんなこんなで大分空港に到着。我々を出迎えてくれたバスに乗車したのですが、今回のガイドさんはすごかったですよ。何がすごいって、まずは恰幅がいい。いかにも頼りになりそうな体格をしておられました(ガイドさん、申し訳ない^^;)。さらにこの人、すごく面白いんだ。4日間の旅だったんですが、バスの中は常に笑いの渦でした。とまぁそんなこんなで国東半島に向かいました。

さて、この国東半島というのは大分県の東部にありまして、平安時代末にたくさんのお寺が建立されたという歴史のある半島でございます。さらにこの半島には「磨崖仏」といって、岩や崖を彫って仏様の形を作るという仏像彫刻が盛んなところでもありまして、大きいものでは10m近くの高さの仏像まであるそうです。ただ、残念ながら今回はここは行程に入っておらず見ることができなかったのですが(これがツアーのダメなところ)、まぁ私は7年ほど前に九州を一周した時に見たので良しとしましょう。ただ父親には見せてあげたかったのですが。
で、まず初めに行ったのがご覧の富貴寺でございます。このお寺にはこの写メにあります大堂という建築物がございまして、これは九州で最も古い木造建築物だそうです。もともと富貴寺というのは、同じく大分県にございます宇佐八幡宮(全国の八幡宮の総元締め)が建てたお寺だったらしいのですが、この宇佐八幡宮が衰退していくに従ってここも廃れてしまったそうです。話によると、農作業の道具を入れる倉として使われたとか、子どもたちの遊び場になったとか、盗賊たちの住みかにもなったことがあるそうです。さらに太平洋戦争末期にはこのお堂のすぐ後ろに爆弾が落とされまして、堂内にあった壁画が破壊されてしまい、本尊の仏様もそこら辺に転がってしまっていたらしいです。それが戦後になってから、九州で最も古い建築物だということで国宝の指定を受けまして、現在では大切に扱われているそうでございます。ちなみにこの写真は、見たことのある方も多いのではないかと思われます。高等学校の日本史の教科書には必ず登場しますよ。
そして次に向かいましたのが真木大堂でございます。こちらも富貴寺と同じく平安末期に建立されたお寺で、いろいろな仏像が展示されておりました。ガイドさん曰く「仏像の中に“矜羯羅童子”というのがあるんですけど、うちの田中部長にそっくりなんですよ(←そんなん知らんし^^;)」といって笑いを取っておりました。で、ここは7年前にも来たのですが、その時に土産物屋のおばぁちゃんにお茶をご馳走になったんですね。そのおばぁちゃんに会えるのではないかと、ちょっと楽しみにしていたのですが残念ながら会えませんでした。

さてさて、富貴寺と真木大堂を見た後は、一路別府に向かいました。別府といえば、皆さんご存じの通り“温泉”であります。この別府という町は、鶴見岳という火山がありましてこの火山灰が降り積もった上に作られた町だそうです。そして比較的地表に近いところに地下水がたまっており、この水を鶴見岳が沸かしているために“どこを掘っても温泉が湧き出す”そうであります。実際80mも掘れば温泉に突き当たるとか。さらに湯量が豊富なので、どこかの温泉のように水を混ぜて湧かし直したりしてごまかすとかえってコストがかかるそうなので、ここの温泉は間違いなく本物であるそうです。
この別府の町で有名なのが「地獄巡り」でございます。上記で述べましたが、この町は湯量が豊富なので町中の至る所から温泉が噴き出しております。その噴き出した温泉が溜まって池ができるのですが、熱湯を吹きだしているので常にブクブクと泡が立っている。さらに湯気も立っており、あたかも地獄のようなのであちらこちらにある温泉の池を「○○地獄」と呼んでいるのです。いちおう我々は「血の池地獄」と「海地獄」の2カ所だけ見てきましたが、このほかにもたくさんございますので、もし行かれる方はいろいろと見て回ってくるとよろしいでしょう。ただし、間違いなく途中で飽きると思います(笑)

このように別府の町を一通り見て歩いたら、あとはホテルへ向かうだけです。我々が泊まったホテルは別府湾のすぐそばに立っておりまして、ここから見た眺めが上の2つの写メでございます。上の方が別府湾と見づらいですが国東半島、下の方が別府湾と高崎山でございます。高崎山といえばお猿さんで有名なんですが、今回は行かなかったので割愛させて頂きます。
さて、この別府湾の向こうに四国があるわけなんですが、九州側にある佐賀関半島と四国側にある佐田岬との間に豊予海峡というものがございます。この間が約12qしかございません。そのために潮の流れがものすごく速く、この場所だけ川のように海水が流れているそうでございます。でありますからここを泳ぐ魚は身が締まっていて旨い。代表的なのが鯖と鯵です。そう、「関サバ」「関アジ」でございます。基本的に鯖や鯵は大衆魚ですが、ここで取れただけで高級魚並みに値段が跳ね上がるそうでございます。ちなみにもうお分かりかと思いますが「関サバ」「関アジ」の「関」は「佐賀関」の「関」でございます。
では、2日目のお話は「阿蘇山に行きました」で。
|
|